寿限無(じゅげむ)とは、落語の最も有名な演目の1つ。「子どもが生まれたので何か良い名前はないか」と話が始まり、ありとあらゆる「ありがたい名前」が挙げられていきます。最終的に「挙げられた名前をすべて繋げてしまおう」ということになり、つけられた名前がこちら。
寿限無寿限無
五劫(ごこう)の擦り切れ
海砂利水魚(かいじゃりすいぎょ)の水行末(すいぎょうまつ)雲来末(うんらいまつ)風来末(ふうらいまつ)
食う寝る処(ところ)に住む処
薮(やぶ)ら柑子(こうじ)の薮柑子(ぶらこうじ)
パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命(ちょうきゅうめい)の長介(ちょうすけ)
「ありがたい名前とはいえ、こんなに長かったら大変だ」という笑い話です。ちなみにこの名前、やろうと思えば戸籍に登録できる名前です。使用できる文字に制限はありますが、文字数にはそれがないのです。ひらがなもカタカナも使えるし、上記の漢字はすべて常用漢字に含まれます。ただし、名付けられた当人が変更を申し出た場合は、それが認められる可能性が極めて高くなります(名前の変更には「正当な理由」が必要で、「長すぎる」がこれに該当します)。さらにちなむと、その変更手続きには700円くらいかかります。
さて、この「寿限無(略)」は言葉遊びとしても秀逸で、非常に語呂が良いのです。16分音符をベースに8小節内でまとめてみました。
実際に歌ってみると、こうなります。
解説すると、最初の2回はインテンポ(16小節)で、次の2回はダブル・タイム・フィール(8小節)で歌っています。手で叩いているのは、インド音楽で用いる「アジタラ」と呼ばれる手拍子パターンです。
このリズムをドラム・セットに適用する場合は、まずスネアだけで演奏し、次にアクセント部をタムやシンバルで演奏するなどして移動に慣れておくと応用しやすくなります。次の動画では右手をフロアタム、左手をハイタムに移動して演奏しています。
16分音符の色んなエッセンスが詰め込まれているので、良い練習になると思います。練習したい人のためにPDFを用意しました。参考までに。
最後に、8バースのファンク・ソロを想定し、応用したものがこちら。