スランプ

「今スランプってるわー」という風なことを口にするミュージシャンがいました。この「スランプ」という言葉は、スポーツや芸術の分野で用いられることが多く、音楽も例外ではありません。ただ、僕は、スランプになったことがありません。というより、何をもってスランプとするのか、よくわかっていないのです。

辞書には、「心身の調子が一時的に不振になっている状態。また、実力が発揮できず、成績などが一時的に落ち込んでいる状態」と書いてあります。しかし、心身の調子が悪いのは、単なる体調不良でしょう。それに、「実力を発揮できない」という状態もまた、実力の内ではないでしょうか。

スランプを口にする人の中には、「いやーほんまはもっとできるんやで。せやけど、なんでか知らんけど今、スランプやねん。しゃーないやろ?」と、「原因不明の不調により、結果が出せませんが、私の責任ではありません」というニュアンスを含む方がいらっしゃいます。たぶん、好きな四字熟語は、「盛者必衰」でしょう。「スランプは魔物」と言っている方もいます。彼らにとってスランプとは、「避けて通ることのできないもの」のようです。しかし、不調には必ず原因がありますし、結果が出せないのは、紛れもなく自分の責任です。この辺の認識の差が、スランプの有無を生んでいるのではないでしょうか。つまり、スランプとは、「勘違い」「気のせい」「気の迷い」の同類というわけです。そういう意味では、たしかに、スランプは、魔物と言えるかもしれません。



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ただ、過去の結果と比べ、成果が出ていない時に、他人から「スランプだね」と評価されるのは、仕方がないことかもしれません。その人は、あなたの状態をよくわかっていないわけですし、スランプを魔物と思っているわけですから、ただ微笑んでいればよろしいのではないでしょうか。

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