ギターを好きになったきっかけ

ギターは僕が初めて買った楽器であり、今なお弾き続けている最愛の楽器です。ただ、初めから好きだったかと言えばそうでもなく、ギターを選んだ理由は消去法でした(参考『アコースティック・ギターの思い出』)。一応「ジャズを演奏したい」という目標はありましたが、ジャズ・ギターに興味があったわけではありません。むしろ、当時知っていたジャズ・ギタリストがジョン・スコフィールドパット・メセニーだけで、ビバップ好きの僕は「どこがジャズだよ、ふざけんな」と思っていました。

ジャズ・ギターに興味を持つようになったきっかけは、ケニー・バレルでした。中学生のころからブルー・ノート・レコードの作品をよく聞いていて、高校に上がった時くらいに「そろそろジャズ・ギターも聞いてみるか」と思って手を出したのが『Introducing』でした。「ジャズ・ギターはジャズにあらず」という固定観念を打ち砕いてくれた作品です。その後、ジム・ホールウェス・モンゴメリーといった王道を聞くようになりました。もしも手を出したのがケニー・バレルでなくマイク・スターンだったら、いまなおジャズ・ギターに抵抗があったかもしれません。

ギター自体を好きになったきっかけは、実はあまり覚えていません。特別好きなギタリストがいたわけでもないですし、もちろん、初めから上手く弾けたわけでもないです。バンドスコアを見て、弾ける部分だけを弾いて遊んでいました。不思議なことに、これがとにかく楽しいのです。たった数小節のリフを、何時間も延々と弾いていられます。迷惑なことに、出先でも友人のギターを奪って同じリフをずっと弾いていました。



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おそらく僕にとってギターは、達成感を覚えやすい楽器だったのでしょう。1フレーズ、数秒間だけであっても、偉大なギタリストと同じステージに立っていると錯覚できます。なんなら、音を出さなくても良いのです。鏡の前でギターを構えているだけでも充実感がありました。音に合わせて弾けるフレーズだけ弾いて、あとは弾いているフリをしていました。子どものごっこ遊びのようなものです。だから僕はギターが上達しないのだな、と思います。

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