鬼の共通点

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非常に厳しい態度をとる人を、空想上の生き物である「鬼」を引き合いに出して「あの人は鬼だ」と形容することがある。鬼と言えば童話「ももたろう」を連想するけれど、ももたろうに出てくる鬼は「試合場は、境界線を含み一辺を9メートルないし11メートルの、正方形また長方形とする」とか「審判員の宣告は、開始・終了・再開・中止・分かれ・有効打突・勝敗・合議・反則などについて行い、その要領は別表のとおりとする。ただし、とくに宣告に際し必要とする場合は、その理由をのべることができる」みたいに厳しい(細かい?)ことは言わないと思う。つまり、鬼が厳しいわけではなく、対象の厳しい態度が鬼のようである、という意味であることがわかる。

櫻井が今まで出会ってきた人の中で、鬼と呼べる人は2人いる。1人は某家電量販店に勤めていたころの上司、もう1人は専門学生時代の講師だ。職種も年齢も異なる2人だけれど、共通している部分がいくつかある。その中でも、特に印象に残っているポイントについて説明していこう。

まず、言葉遣いが暴力的であること。大声で怒鳴ったり、睨みつけたりするのが単純に恐ろしかった。今の時代なら、何とかハラスメントで訴えられると思う。特に上司は烈火のごとく怒る人だったので、当時社会人1年目だった櫻井は毎日のように泣いていた。講師も同様で、卒業した今なお、接する時は緊張してしまう。

つぎに、言っている内容が正確であること。上司も講師も感情的に怒鳴っているように見えて指摘は的確だし、間違ったことは何1つ言っていないのだ。大声で怒鳴る人は他に何人もいたけれど、突っ込みどころというか、「それは違うだろう」と思わざるを得ない人しかいなかったのである。これに気が付いた時、彼らに対する恐怖は尊敬に変わった。

また、非常に誤解されやすいこと。たとえば、講師が「必ず手首を使って叩け」と言っているのに「手首だけを使って叩かなければならない」と認識を歪めている生徒が多数いた。言葉の意味だけを受け取れば良いものを、その裏まで読もうとして勘違いしているのだ。

そして、大勢の部下・生徒から批難されやすいということ。特に、陰口が多い。当人がいなくなった途端、「あの上司はここが駄目だ」とか「あの講師は意味がわからん」という風に愚痴をこぼすのだ。愚痴を聞いている櫻井にはどうしようもないので、「本人に直接言ったら?」とアドバイスするのだけれど、「何を馬鹿なことを」と鼻で笑われていた。この手の愚痴は吐くのも聞くのも時間の無駄である。

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