音楽講師の給料

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音楽講師にもいろいろあって、個人で教えている人や音楽教室、専門学校、音大に勤めている人などがいる。専門学校と音大で働いた経験はないけれど、基本的にはどれも組織から仕事を任される(委託業務)「個人事業主」という扱いになると思う。組織に所属していない、いわば「自営業」であるため、「給料」ではなく「報酬」と言うのが正確である。保険は国民健康保険、年度末には確定申告が必要だ。

個人で教えている場合は月謝の100パーセントが講師の報酬となるので、上手くいけば最も稼げるレッスン体系といえる。価格、レッスン回数、時間も自分で設定できるので自由度は高いが、「60分の個人レッスンを月2回、8,000~10,000円」という平均値はある。25人集めれば手取りで20万~25万円というわけだ。100人集めようものなら、月収80万~100万である。こう書くと、ものすごく割の良い仕事に思えるから不思議だ。実際に100人を教えるとなると月の労働時間は200時間、週6日働いたとして1日の労働時間は8時間以上だ。もちろん年末年始なども関係ない。何より、100人の日程がぶつからないように調整しなければならないし、場所も押さえなければならない。

また、知名度や経歴など、講師自体に「商品価値」がないと人が集まらない。消費者からすれば、無名のミュージシャンに投資するのは相当なリスクなのだ。自身の商品価値を銘打った広告・営業活動やマネージメントをしなければならないため、教育業と経営の二足の草鞋を余儀なくされる。講師側にもリスクはある。普通、月謝の徴収はレッスン当日に行なうため、直前でキャンセルされたり、音信不通になったりすると、その日の稼ぎがゼロになるばかりか、場所代や交通費がまるまる赤字になってしまう。この辺りの問題をどうクリアするかが、個人経営で成功するポイントになるだろう。

音楽教室で教えている場合は、場所にもよるけれど、月謝の40~50パーセントが講師の報酬になる。月謝8,000円のレッスンだったら、1人につき大体3,200~4,000円だ。50人教えても20万円いかない。個人で教えるのに比べれば稼ぎは薄いが、メリットもある。一番の利点は、広告・営業活動、マネージメントを音楽教室のスタッフが代わりにやってくれることだ。宣伝のために多少の協力を求められることはあるが、講師は教育業に専念できる。月謝が先払いで、場所や交通費にも保証があるため、リスクは大幅に軽減されることもポイントである。

問題は、採用試験に合格しなければ音楽教室では働けない、ということ。中学校レベルのテストで採用試験を実施している音楽教室もあるけれど、そういった「誰でも採用している音楽教室」は規模も小さいし、消費者にとっては「ずぶの素人が講師をやっているのでは」というリスクになるため人も集まりにくく、儲けは期待できない。大手になればなるほど採用の基準は高くなるが、その分、消費者の信頼を得やすい。

忘れてはならないのが、「報酬のパーセンテージは年数に比例しない」ということ。勤続10年のベテラン講師も、1年目の新米講師も、生徒様1人から徴収する金額は同じである。「自分は若手だから」という言い訳は通用しない。

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