美術館の楽しみ方

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先日、友人に連れられて美術館へ行ってきた話。芸術に造詣が深い友人と違い、櫻井はそういった美的センスがありません(参考『絵画、それから、芸術性とセンスについて』)。1時間は粘らなければならなかったのですが、5分もしないうちに飽きるのは目に見えていました。聞いたこともないマイナーな作者の展覧会で、知っている作品は1つもありません。鼻歌を歌いながら踊るわけにもいかないし、友人の邪魔をするわけにもいかないので、どうしようか思いあぐねていました。

美術館に着いて作品を見ていると、ふと「素人らしく、素人っぽい観点からじっくり観察するのはどうか」という案が思い立ちました。表現やセンスといった文系の価値観はさっぱりわからないので、「どうやって作品を作ったのか」という工程だけにフォーカスして鑑賞することにしたのです。作品のほとんどが絵画だったので、「どこから描き始めたのか」「何色を最初に塗ったのか」などを、絵の具の重なり具合から推理し始めます。作品の前に柵がない美術館だったので、可能な限り顔を近づけて絵の具の流れに目を留めました。

すると、2つの色が交差する部分が薄っすら線状になっていることに気がつきました。定規で書いたような真っ直ぐな線だったので、カッターか何かで切り込みを入れているのかと思いましたが、穴が空いている様子はありません。どうして線を引いたのかはさておき、どうやって真っ直ぐに線を引いたのか疑問でした。そう考えるとその作者の作品には、筆で書いたとは思えないような直線がところどころにあります。プロの絵描きなら可能なのかもしれませんが、それにしても綺麗過ぎる直線だったのです。

おそらく、1つ目の色が乾いた上にマスキング・テープを貼って2つ目の色を重ね塗りし、乾いてからマスキング・テープを剥がしたのではないでしょうか。これなら直線が引けますし、薄っすら線が残っていたのもマスキング・テープの跡と推定できます。実際にどうやって線を引いたのかは定かではありませんが、こうして制作工程をトレースするのはミステリー小説のトリックを暴くような解放感があって面白いのです。

こんな風に時間を潰していると、その作者のインタビューの一部が掲載されているのを発見しました。そこで作者は、インタビュアーの「作品に顔を近づけてじっくり見ている人がいますが、一体何の意味があるのでしょう」という質問に対し、「遠くからぼんやり見ているだけでは、作者の苦悩を読み取ることはできない。細部まで観察することでそれがわかる」と答えていました。まんまと作者の策に引っかかったわけですが、非常に心地良かったです。これもまたミステリー小説に通じる面白さだな、と思います。



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