給食

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学校で生徒へ配膳される昼食のこと、また、そのシステムのこと指す。主に小学校、中学校で実施され、高校以上は学食、あるいは購買といったシステムに代わることが多い。学校内で給食が作られていることも稀にあるが、「給食センター」という独立した機関によって作られていることがほとんどである。給食センターが各学校に設置された「給食室」へ食事を配達、それを生徒らが教室まで運搬し配膳、食事後に生徒らが容器を給食室へ戻し、給食センターがそれ回収する。献立(メニュー)は、給食センターの管理下で主食、主菜、副菜などをバランスよく盛り込まれる。櫻井が小中学生のころは、デザートが付いていた。プリンやゼリーが多かったけれど、たまに大福を模したアイスクリームが出てくることもあった。

集団で食事をとる給食という行為には、他の食事と違って「ルール」がある。たとえば、櫻井の小中学校では「生徒全員に配膳し終わってから、『いただきます』の号令と共に食事を開始する」というルールがあった。他にも、「一定の時間内までに食べ終えること」「『ごちそうさまでした』の号令と共に食事を終え、後片付けをすること」「トイレなどの理由を除き、教室外へは出ないこと」「定められた班ごとに食事をとり、席を移動しないこと」など。学校によっては席の移動くらいは認められているかもしれないけれど、「残さず食べましょう」というルールは全国共通のものだと思う。この「残さず食べましょう」というルールには狙いがあって、ひとつは「生徒の成長を促すため(体調管理)」。給食というのはどれも栄養バランスを考えて作られているため、残してしまうと偏った食事になってしまうから、残さず食べましょう、ということ。そして、もうひとつは「食事のマナー(道徳)を教えるため」というもので、おそらく、こちらの狙いの方が重要視されている。

幼いころの櫻井は、食べ物の好き嫌いがとても多い子どもだった。野菜全般が駄目だったし、酢の物、匂いや見た目の悪いものなども口にしなかった。給食の献立は、食べられない(食べたくない)ものがほとんどだった。「全部食べないと健康に育たない」と教師は説くのだけれど、「無理して食べる方が身体に悪い」と櫻井は思っていた。ただ、「食べ物を残すのはマナー違反」というのは一理ある、と感じたので、食べられない物は初めから配膳しない、という策を取った。ところがある時、教師が勝手に櫻井のトレイへすべての献立を盛り込んだことがある。席を黒板の前まで移動させられ、「食べるまではずっとここにいること」と言われたので、給食の時間が終わり、休み時間になり、5時限目が始まっても、櫻井は嫌いな物が盛られたトレイとにらめっこしていた。「みんな好き嫌いせずに頑張って食べているのに、櫻井くんだけ特別扱いできません」と言っていたが、これは立派に特別扱いではないか、と腹を立てていたし、結局、放課後になって母親が迎えに来ても、嫌いな物を食べることはなかった。

ちなみに、今はほとんど好き嫌いがない。多少苦手な食べ物はあるけれど、食べようと思えばなんでも食べられる。あの時の教師に対して、「お前が無理矢理食わそうとしなくたって好き嫌いはなくなるんだ、ざまあみろ」と悪態を吐きたくなる気持ちもなくはないけれど、「こんな面倒臭い生徒を持って大変でしたね」という哀れみの方が強い。もしも過去にタイムスリップできるなら、ただ一言「ドンマイ」と言って肩を叩いてやりたい。

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