最弱が最強に勝つためには

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フィクションの主人公によくある傾向である。スポーツやゲームなどの競技で、熟練者が初心者に負けて「なんでこんなやつに!」と悔しがるのだけれど、果たして現実にそういったことが起こりうるのだろうか。

たとえば、麻雀やポーカーみたいに運の要素を多く含んでいる競技は、初心者でも勝てる可能性がある。いわゆる「ビギナーズ・ラック」だ。また、将棋の「角落ち」のように、熟練者とのハンディキャップが開いている場合はいくぶん勝率が上がるだろう。しかし、相当なハンディキャップがないと、実力であっさりひっくり返されてしまう。将棋は正にその典型で、名人なら8枚落ちしたってずぶの素人には負けない。

あとは、熟練者が油断するケースである。「ウサギとカメ」のウサギのように、侮って手を抜いた隙を突けば初心者にも勝算はある。ただ、これもハンディキャップ同様、相当に油断させなければ勝ち目はない。ウサギの油断は「10メートル後方からスタートする」とか「ゆっくり走る」どころではなく、「レース中に寝る」だ。熟練者に勝つためには、それくらい油断させる必要がある。

相手を油断させるために、「実力を隠して弱いフリをする」というのはどうだろう。弱い相手を見くびるような熟練者であれば多少は効果があるかもしれないけれど、それ以前に「隠すような実力があるのか」というのが問題になる。それに、誰であろうと手を抜かないタイプの相手には通用しない。性的魅力によって相手を惑わす「ハニー・トラップ」という手もあるが、これも手を抜かないタイプには効果が期待できない。そもそも使う相手が異性に限定されるため、男女別で分けるスポーツでは使えないだろう。

ではここで、「最弱が最強に勝つための必勝法」を教えよう。この方法を使えば、たとえ相手が熟練者だろうとほぼ100パーセントの確率で勝てる。力の差が圧倒的であっても勝てる方法、それは「人質を取る」である。まず、対戦相手の配偶者を誘拐する。拘束した上で「勝負に負けろ。さもなくば……」と対戦相手を脅迫する。あとは普通に勝負すれば相手は負ける。実にシンプルかつ確実な戦略だ。強いて難点を挙げるとすれば、人質になるような配偶者がいない相手には通用しないこと、違法であることくらいか。

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