恐怖症

ある特定のシチュエーションや物体などに対して、過度の恐怖を抱く症状のことです。中でもポピュラーなのは、高所恐怖症でしょう。本来であれば「デパートの高層階へ行けない」や「階段の昇り降りができない」といった日常生活に支障をきたすレベルの症状のことを指しますが、「ちょっと高いところが苦手」くらいの理由で高所恐怖症と言う人もいます。僕は「鳥山明恐怖症」といったところでしょうか(参考『苦手なもの』)。

○変わった恐怖症

僕が通っていた音大には、少し変わった恐怖症を持った先生がいました。普通に日常生活を送っている人なので、ジョークと思って聞いてください。彼はピアニストで、分数コードのⅤ/Ⅰが苦手なⅤ/Ⅰ恐怖症だったのです。

Ⅴ/Ⅰとは、ルートの上に5度の3和音を積んだコードのことです。たとえば、ルートがCであればGメジャーを積みます。

Gメジャーの構成音はG、B、Dで、ルート(C)との関係は5thM7th9thとなり、調性はCM9に近く、トニック・コードとして使えます(スケールもイオニアン・スケール)。ちなみに、ヴァン・ヘイレンの『JUMP』の最初のコードがⅤ/Ⅰだそうです。参考までに。



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○恐怖は判断ではなく本能である

その先生は、M9コードは平気なのに、Ⅴ/Ⅰは我慢ならないという、筋金入りのⅤ/Ⅰ嫌いでした。僕からすれば大した差は感じられないのですが、苦虫を噛みつぶしたような顔をしながら演奏されていたので、「聞き分けている」というより「身体が反応している」のでしょう。ちなみにこの話を聞いた他の生徒たちは、これでもかと言わんばかりにⅤ/Ⅰを混ぜて演奏し、面白がっていました。

実は僕にも1つ、変わった恐怖症があります。現金恐怖症です。額面が高くなればなるほど恐怖心が増します。「いきなり万札を投げつけられたら」とか、「知らぬ間にかばんの中が札束でいっぱいになっていたら」とか、想像するだけで卒倒しそうになります。おお、こわいこわい。ここいらで、今度は高いギターがこわい

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