年寄りの悪い癖

たかだか30歳という年齢で自分が年寄りだとは思っていませんが、10代、20代の感覚についていけず、自分の尺度だけでものを見てしまうことがあります。尺度とはメジャー、つまり、物の長さを測る道具のことです。基準を持っているのは悪いことではありませんが、自分の尺度以上のものを測る時は邪魔になってしまいます。自分の尺度を捨て、相手の尺度を受け入れること、これが教養です。

たとえば、巷で人気の邦バンドを聞いた時、僕は「和製リンキン・パーク」とか「和製ジャミロクワイ」と思いました。リンキン・パークもジャミロクワイも僕の学生時代に流行った洋バンドです。青春時代に聞いていた音楽を尺度にして、「最近のバンドはパクりばかりだな」と裁いているのです。この観察は当たっているのですが、僕にとって何の教養にもなりません。

「最近の若い人は昔の音楽を聞いていない」と嘆いていたり、「昔の音楽は良かった」といった懐古的な発言をしたりする人が目立ちますが、最近の人は「年寄りは流行の音楽を聞いていない」と嘆いているでしょう。ようするに、自分の好きなものに固執し、排他的な態度を持つことが教育の妨げになっているのです。



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僕は元よりオールド・スクールな考え方をするので、こういった思考には注意しなければなりません。昔、好きだったアーティストを追いかけていたように、最近のアーティストを追いかけるのも良いかもしれません。どこかに良いアーティストはいないものか。否、すでに良いアーティストはいるはずです。あとは自分の耳を開くだけです。

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