左右で別々のドラム・スティックを持つスタイル

ドラムスティック(以下、スティック)は2本1組で、同じ規格のスティックを左右の手でそれぞれ持つのが普通です。しかし、「スティックは、片方だけ長かったり太かったりしてはならない」というルールがあるわけではありません。Vater(ベーター)社の青山純モデルのように、左右で異なる規格のスティックがペアになった商品もあります(参考『VATER ベーター ドラムスティック 青山純モデル リズム・スティック VHRSW 【国内正規品】』※外部リンク)。

では、左右で別々のスティックを持った場合、どういった効果が得られるでしょうか。

【メリット】

○サウンドの幅が広がる

たとえば、一方をナイロン・チップ、もう一方をウッド・チップという組み合わせにしておけば、左右のスティックを持ち替えるだけで音色を大きく変えられます。メロ部分では繊細に、サビ部分ではきらびやかに、といったアプローチができるわけです。手前にあるハイハットを叩く時は短いスティック、少し遠くにあるライドを叩く時は長いスティック、なんてアイディアもあります。

○利き手でない方のトレーニングになる

右利きの場合、利き手でない左手はスネアを使った演奏が中心となります。すると、右手に比べて叩く回数も少なくなり、おざなりになりやすいのです。そこで、左手側のスティックを太く長いモデルにして、あえて負荷をかけます。扱いづらいモデルを使うことで、意識を左手に向け、上達をうながすわけです。

【デメリット】

○コストがかかる

スティックは2本1組で販売されるのが普通です。そのため、左右で規格の違うスティックを使うためには、最低でも2ペア(4本)買う必要があります。また、シンバル類を叩くことが多い利き手側のスティックは消耗が激しいため、交換する頻度が高くなり、よりコストがかかってしまいます。いわゆる「大人買い」をして単価を下げても、利き手側でない方のスティックは余ってしまいます。シャンプーとコンディショナーのような関係です。

○スティックを落とした時のフォローが利かない

左右で同じスティックを使っている場合、片一方が落ちたとしても、もう一方でフォローが利きます(参考『右手1本でどれだけドラムを叩けるか』)。ところが、左右で異なる規格のスティックを使っているとそうもいきません。音色もフィーリングも変わってしまい、演奏に集中できなくなるでしょう。

○両手の粒が揃いづらい

左右別々のスティックを使えばサウンドの幅が広がると書きましたが、裏を返せば「連打した際に音が均一にならない」ということでもあります。特にシンバル類の粒が揃わないのは致命的でしょう。「味のある独特なフレーズ」という解釈もできますが、個性的であるゆえに汎用性は低いと言えます。

やはり、おとなしく同じスティックを使うのが無難と言わざるを得ません。強いて効果的な活用法を挙げるなら、同じ規格で色違いのスティックを使うのは、見た目のアピールに繋がるかもしれません。しかし、ラッカーによってグリップの具合が変わってくるため、同じモデルだったとしても「同じ規格」で揃えるのは少々困難かもしれません。



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