器用な人の悩み

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何をやっても上手くいく、器用な人。勉強も運動もできるうえに性格も良く、ルックスも整っている。結果も出すし、人気もある。クラスに1人はそういうタイプがいて、多くの人を惹きつける。

不器用な櫻井にとって、器用な人は憧れである。どうしてそんな要領よくいくのだろう、と不思議でならない。何でもできるから、悩みの1つも抱えていないのだろうな、と思っていた。

いつだったか、器用な友人が悩みを打ち明けてきたことがある。櫻井にとってその友人は「すごい人」なので、大変驚いた。よりにもよって何故櫻井に打ち明けたのか、今でも理由はわからない。

器用な友人の悩みは主に2つ。1つは、「大きな結果を出せない」だった。クラスや学校なら1番にはなれるが、外の世界に出ると全く通用しないのだと言う。始めて数ヶ月である程度はこなせるがそれ以上は伸びない、典型的な「器用貧乏」であるらしかった。

もう1つは、「周りの期待が重い」である。なまじ結果を出してしまうから、大勢が友人に期待する。櫻井には想像できない悩みだ。贅沢な悩みだ、と少し妬んでいたこともあるけれど、目に見えてやつれている友人を見ると笑えなかった。

友人は今、映像関係の仕事をしている。学生時代はろくにパソコンも使えなかったのに、素晴らしい映像を作っていた。そこそこ人気もあるようだ。この「そこそこ」が友人を苦しめているのだろうな、と思いつつ。

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