モニター・スピーカーの音量【後編】

前回(『モニター・スピーカーの音量【前編】』)に引き続き、今回はモニター・スピーカー(以下、モニター)を調節する際に気を付けるべき点について。

まず、環境によってモニターの聞こえ方、調節方法は大きく変わります。あるライブハウスで上手く調節できたからといって、別のライブハウスで上手くいくとは限りません。否、同じライブハウスだったとしても、PAや楽曲、楽器、バンド編成が変われば聞こえ方は変わってきます。頼りになるのは「方法」ではなく、「自分の耳」です。固定観念にとらわれず、試行錯誤と経験を重ねていく必要があるでしょう。

絶対的な解法はないとはいえ、大半の問題を解決してくれる方法というか、「コツ」のようなものはあります。1つは、音を加えるのではなく、減らしてバランスをとること。聞こえない音を足すのではなく、余分な音を除く、という「引き算」を原則としましょう。それでも聞こえなければ、モニターの向き、立ち位置を調節します。知識がなければPAに訊けば良いでしょう。また、モニターはPAの管轄であるため、ミュージシャンが好き勝手に動かしていいものではありません。PAに相談し、許可をとった上で移動するようにしましょう。



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あとは、本番を想定することも重要です。たとえば、サウンドチェックの時は客席に人がいないため、メイン(客席に向けられたスピーカー)の音がステージまで反響することがあります。本番になれば客席に人が埋まり、反響は抑えられます。細かいことを言えば、冬場は厚着をする観客が増えるため、反響はさらに抑えられます。この辺はPAの領分ですが、ミュージシャンも気づかって損はないでしょう。「ここのPAはやたらとモニターの音がでかい」といらだつ前に、「モニターが大きめなのはどうしてだろう」と考えてみましょう。

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