メトロノーム・トレーニング

メトロノームとは、音や光などによって正確なテンポを発生する機械や器材の名称、あるいは、それによって生じた音や光そのもののことです。「時間芸術」と称される音楽にとって、メトロノームは人類共通の基準です。この基準を理解できないと、安定した演奏はもちろん、いわゆる「前ノリ」「後ノリ」や「なまり」といった表現もできません。枠に捕らわれないためには、枠を知る必要があるのです。

通常、メトロノームは拍子のオモテ拍(4/4拍子なら1、2、3、4)を想定します。これを「メトロノームをオモテ拍に聞く(置く)」や「(メトロノームの)オモテ取り」と言います。

オモテ取り

重要なのは、「演奏がメトロノームと完全に一致した時、メトロノームの音が聞こえなくなる」ことです。楽器の音量が小さくても、タイミングさえ合えばメトロノームの音は消えます。この「メトロノームを消す行為」こそ、メトロノーム・トレーニングの真髄です。

このオモテ取りがメトロノーム・トレーニングの基本になります。以下にそのバリエーションを列挙していきますが、いずれも「○○取り」という名称で、『○○』の部分には「メトロノームを聞く位置」が入ります。

○2・4取り

たとえばテンポ100の4拍子の場合、テンポを半分の50にしてメトロノームを鳴らすと1拍目、3拍目だけが鳴った状態であると言えます。

二四説明

これを1拍ずらして2拍目、4拍目にメトロノームを鳴らすことを「2・4どり」と言います。8ビートなら、バック・ビート(スネア)の位置にメトロノームが鳴ります。

二・四取り

○8分音符のウラ取り

8分音符のウラ拍とは、「1と2と3と4と」の「と」の部分のことです。元のテンポからメトロノームを半拍ずらして聞ききましょう。いきなりリズム・パターンを演奏しようとすると難しいので、まずは1拍目、3拍目にキックを踏んで、メトロノームが完全にウラ拍で聞こえるようになりましょう。



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八分音符のウラ取り

○3連符の3つ目取り

いわゆる「8分音符のハネ(シャッフル)」のウラ取りです。元のテンポから3分の2、つまり、3連符2つ分後ろにずらして聞きます。前述の「8分音符のウラ取り」と、後述の「16分音符の4つ目取り」などと混同しやすいので注意しましょう。

三連符の三つ目取り

○16分音符の4つ目取り

元のテンポから4分の3、つまり、16分音符3つ分後ろにずらして聞きます。8ビートではハイハットとハイハットの間にメトロノームが聞こえるようになります。キックとバック・ビートの直前にメトロノームが鳴る、という感覚を掴めれば安定しやすいです。

十六分音符の四つ目取り

○3連符の2つ目取り

3連符の2つ目、つまり、真ん中でメトロノームを鳴らします。どちらかと言えば、キックとバック・ビートの直後にメトロノームが鳴る、という感覚に近いです。これも8分音符のウラ取りなどと混同しやすいので注意が必要です。

他にも「16分音符のウラ取り(2、4つ目)」「6連符の6つ目取り(16分音符のハネのウラ取り)」など、多数バリエーションがあります。ドラムを中心に話を進めましたが、もちろん他の楽器でも適用できるトレーニングです。

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「メトロノーム・トレーニング」

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