ポップスは死んだのか

とある生徒様が「最近のJポップは、どんどんポップスじゃなくなってきている」とおっしゃっていました。ポップスとは本来「大衆音楽」のことですが、このごろは大衆性が失われ、どんどん専門的になっているそうです。言われてみれば、たしかにそうかもしれません。高校生の生徒様とは思えない鋭い考察です。

僕の場合、Jポップと聞いて最初に連想した最近のアーティストはPerfumeでした。知名度もありますし、楽曲も人気です。しかし、万人に受ける楽曲かと言えばそうとも言えません。技術的にはテクノとかエレクトロの分野で、ダンスで売っている面もあります。Perfumeにおける大衆性は音楽にあるのではなく、パフォーマンスにあるのではないでしょうか。

似たような例に星野源がいます。『』はみんなが知っている曲ですが、これは「音楽が受けた」と言うよりドラマ、あるいはダンスが売れた結果でしょう。『前前前世』は有名ですが、映画『君の名は。』で使われた曲以外でRADWIMPSを知っている方はごくわずかでした。



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Jポップがポップスたりえなくなってきた原因は、 趣味の固有化にあります(参考『オタクから学ぶ、趣味の共有化と固有化』)。「みんなで楽しむ」という風習が薄れつつあるため、対象を限定しない大衆性よりも、自分だけが愛せる専門性をみんな求めているわけです。時代がポップスを求めなくなってきたのでしょう。

「このまま大衆性が失われれば、将来的にポップスは死ぬ(ポップスというジャンルがなくなる)のではないか」と生徒様は危惧していらっしゃいました。残酷な予想ですが、その先見の明は震えるほど冴えていると思います。

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