プロのドラマーに聞いてみたいこと

ある大手のドラムメーカーが、「プロのドラマーに聞いてみたいことはなんですか?」といった旨の投稿をSNSでしていました。どんな質問が集まるか気になったのでコメント欄を見てみると、半分くらいが「どんなスネアが好きですか?」といった器材にまつわることで、もう半分が「速く手を動かすためにはどうすれば良いですか?」といったテクニックに関することでした。なるほど、こういった話題に需要が集まるのか、と思ったので、近々器材やセッティングにフォーカスした動画を撮るかもしれません。

プロのミュージシャンに質問したい動機は、だいたいが「真似をしたいから」だと思います。「こういった器材を使えば『あの音』が出せる」「こういったテクニックを使えば『あの技』を演奏できる」という風に真似をしたい対象があって、それに近づくために情報を訊きだすわけです。情報収集自体は決して悪いことではありませんが、注意しなければならないのは質問相手の環境です。

たとえば、ドームツアーをするような大物アーティストのサポートやレコーディングを務めるドラマーと、場末のバーやライブハウスで演奏しているドラマーとでは、使う器材もテクニックも異なってきます。賢いドラマーであればアレンジをして自分の環境に適用できるかもしれませんが、鵜呑みにすると自分も周りも痛い目を見るでしょう。不安であれば、質問の内容と共に自分の環境も明記すると良いかもしれません(もっとも、回答するプロのドラマーがそれに必ず応えてくれるとは限りません)。



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僕がドラム講師を始めてまもないころ、先輩講師の方々によく質問していたのが「(レッスン業をしてきた中で)今まで一番の失敗は何ですか?」です。この質問の動機は、前述の「真似をしたいから」とは正反対のベクトル、「真似をしたくないから」です。経験の少ない講師にとっては、先輩方の成功体験よりも失敗談のほうが適用しやすい、と考えているからです。可能であれば対処法も訊きますが、正直、どう対処するか考えるのは自分の仕事だとも思っています。

ただこの質問、ほとんどのプロの方が回答してくれません。おそらく、昔の傷をえぐるような感じがして、失礼に当たるのでしょう。なので、相手をよく見て判断する必要があります。ちなみに僕はオープンに答えられるので、気になる方は個人的に訊いてみてください。一番の失敗がいくつもあるので、訊ねるたびに回答が変化するかもしれませんけれど。

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