フィル・インの作り方 part1

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パソコンで音源を作っているギタリストの友人が「ドラムを打ち込む際、フィル・インをどう作ればいいのかわからない」と言っていた。似たような曲調のドラムを耳コピして参考にすればいいだけの話だが、「可能な限り楽をしたい」と考えているか、「自分はドラマーじゃないから何をやっているのか理解できない」と諦めているか、あるいは両方だろう。気持ちはわかるけれど、時間をかければできないはずがないし、時間をかけるだけの価値がある場合がほとんどである。「いや、時間をかけてもできないものはできない」という人は、「ヘッドフォンが断線している」「ボリュームがゼロになっている」くらいのレベルでやり方が間違っているか、そもそも挑戦していないかのどちらかだろう。

曲によって、また、作り手の考え方によって最適なフィル・インは変わってくる。絶対的な正解というのは存在しないので、これから書くのは飽くまで櫻井個人の見解である。櫻井自身も常にルールに沿っているわけではない。ただ、あらかじめルールを作っておいた方が型破りしやすい、という傾向はあるだろう。なんにせよ、鵜呑みにせず、「こういう考えもあるのだな」程度に留めておくのが吉である。

まずフィル・イン(Fill in) には、「空白(スペース)を埋める」という意味がある。裏を返せば、「埋めるべき空白がなければ、フィル・インは必要ない」ということだ。ただなんとなく惰性でフィル・インを入れるのではなく、「本当にフィル・インが必要かどうか」を見極める必要がある。この見極めが非常に難しいが、「フィル・インを入れようかどうか迷った時は入れない」というのは大きな目安である。加えることより、削ることにフォーカスを当てた方が仕上がりもクールになる。

音楽における空白とは、音が出ていない部分、つまり、「休符」だ。メロディが休んでいる部分にフィル・インを入れると効果的である場合が多い。特にキメ(ブレイク)の時は、間の休符を埋めるようにしてフレーズを構築するとよい。

きめフィル

また、フィル・インだからといって「必ず音を出さなければならない」という決まりはない。あえて叩かず、「空間を使って空間を埋める」というのも一つの手法である。

空間フィル

シンプルなリズム・パターンの曲であれば、スネアやキックの位置を半拍ずらすだけでも十分効果的なフィル・インが作れる。

ずれフィル

以上。単純な手法ゆえに見落とされがちな部分にクローズ・アップしてみた。次回はもう少しクリエイティブな手法について解説したい。

フィル・インの作り方 part1(クリックでダウンロード)

part2へ続く。

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