シングル・マザー

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母親とその子どもで構成された、いわゆる「母子家庭」の母親のことを指す。母親でなく、父親の場合は「シングル・ファザー」になるが、厚生労働省の調べ(平成25年度)によると、父子家庭の推定世帯数がおよそ22万世帯なのに対し、母子家庭の推定世帯数はおよそ123万世帯と、100万世帯以上多い。ひとり親になった経緯には、配偶者の死別・失踪や、未婚などが挙げられるが、最も多い原因は、離婚である(およそ80パーセント)。

同じ片親でも、シングル・マザーとシングル・ファザーには大きなギャップがある。特に、収入において、シングル・ファザーの平均年間就労収入は360万円、シングル・マザーは181万円と、ほとんど半分しかない。これは、シングル・ファザーのおよそ67パーセントが正社員なのに対し、シングル・マザーの正社員率はおよそ40パーセントと低く、およそ47パーセントがパート、アルバイト雇用のためだからだろう。月に換算して、およそ15万円。これに国からの援助などが加わるとはいえ、余裕のある収入ではない。

母子家庭は、「子どもの成長に悪影響を及ぼす」とか「子どもが大きくなった時、社会的に不利になる(世間体が悪くなる)」といった問題点がたびたび挙げられる。しかし、世の中色んな人がいて、色んな家庭を持っているのだから、一概に「母子家庭には問題がある」とは言えないだろう。そもそも家庭というのは、すべからく、とんでもない爆弾のような、何らかの問題を抱えているものなのだ。両親がいようがいまいが、悪影響は必ず起こる。社会的に不利と言っても、今時珍しいものでもないし、大したハンデにならない(だからといって、なおざりにしていい問題でもないけれど)。

また、母親が思っている以上に子どもは強い、と櫻井は思う。「母は強し」とは言うものの、母親がぽっきり折れてしまうケースの方が多いのではないか。年齢の低い子どもなら、父親がいないのが当たり前の生活になるのだし、ある程度育っている子どもでも、母子家庭になる前、たとえば、不仲な両親の姿を見て「ああ、離婚するかもな」という予見を立てる。嫌がったところで生きていく術がないから、腹をくくるしかないのだ。大人は、それほど大人ではない。子どもの頃から薄々気がついていたけれど、大人になった今、これを確信している。

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