インテリアとしての楽器

いつだったか、男性向けのファッション雑誌でインテリア特集を読んだことがあります。その中で、マーティンのアコースティック・ギター(以下、アコギ)を飾っている人に目が留まりました。「アコギがもつシックな木目が室内の雰囲気に合う」みたいなことは書いてありましたが、音楽的な内容は一切書かれていませんでした。コーナンで売っている角材じゃダメだったのでしょうか。

その後も何度かインテリア特集を読みましたが、インテリアに用いられるのはギターだけで、すべからくアコギでした。アコギが人気と言うより、安価で真似しやすいのが原因でしょう。エレキ・ギターも安価ですが、アコギと違ってアンプやシールドなどのオプションが必要になり、景観を損ないやすいのです。バイオリンやトランペットだとボディが小さい分、主張が足りないのでしょう

アップライトピアノを飾っているホテルや喫茶店もあります。鍵盤に溜まったほこりを見る限り、調律はしていないのでしょう。最近行った観光案内所には、その土地出身の有名人らしき人物の電子オルガンが展示されていました。僕の知らない人物でしたし、僕の他に興味を示している者はいませんでした。



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道具の使い方は人それぞれです。収集が趣味の人もいますし、ビジネスのためにわかりやすいアイテムが必要な人もいるでしょう。ただ、インテリアにすれば楽器としては死んだも同然です。動物の剥製のようなものなのです。わざわざ本物を使わなくてもいいのでは、というのが正直な感想です。

仮に僕が有名になって「ティモ・ミュージアム」みたいなのが建ったとしたら、ショーケースにはコーナンの角材を飾っていただきたいところです。

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