イヤー・トレーニング必勝法【導入編】

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ひとくちにイヤー・トレーニング(聴音)といっても様々なので、ここでは櫻井が音大(ニューパーク音楽大学)で学んだ「コード判定」に限定して説明する。ジャズの音大なので、少々マニアックな内容だけれど、同大学に興味がある人の参考になれば、と思う。

コード判定とはその名の通り、「積み重なった和音を聞いて、そのコードが何のコードであるか判定する」というもの。ただ、ニューパーク大学の試験ではコード名を当てるだけでなく、いくつかステップを踏まなければならない。試験の流れを順序立てて説明しよう。

○コード判定試験の流れ
1. 担当教官が単音を弾き、その音の音名を告げる(例:Cの音)
2. 担当教官がテンポを出し、全音符で2回(2小節)、コードを演奏するので、聴きとる(例:C9を弾く)
3. 続けて(3小節目から)、自分の楽器、あるいは歌唱によって、そのコードで用いられるスケール音を4分音符で演奏する(例:Cのミキソリディアン・スケールを演奏する)
4. 演奏後、コード名と、自分が演奏したスケール名を答える

なんと言っても項目3が難しく、コードを聴きとって、瞬時にスケール名を判断する「音楽理論力」が必要になってくる。上に挙げた例は最も簡単な例なので、他にもいくつか例を挙げてみよう。

い. Fメジャー9 ♯11(Fリディアン・スケール)
ろ. G7 ♯9 ♯5(Gオルタード・スケール)
は. Aマイナー9 ♭5(Aロクリアン・ナチュラル2・スケール)
に. D7sus♭9 13(Dフリジアン・ナチュラル6・スケール)
ほ. B♭/E(Eオルタード・スケール、または、ハーフホール・スケール)

以上に挙げた例は、いずれも「項目1で担当教官が弾いた音が、項目2で担当教官が弾いたコードのルート音であった場合」である。これが、「項目1で担当教官の弾いた音が、項目2で担当教官が弾いたコードのルート音でない場合」の時もある。例を挙げよう。

1′. 担当教官が単音を弾き、その音の音名を告げる(例:Cの音)
2′. コードを弾く(例:Aマイナー♭6を弾く)
3′. そのコードに準ずる、項目1′から始まるスケールを演奏する(例:Aマイナー♭6はCメジャー・スケールの6番目のコード、よってCイオニア・スケールを演奏する)
4. 演奏後、コード名とスケール名を答える

これも割と簡単な例である。またいくつか例を挙げてみよう。順に「項目1’の単音、『コード名』、演奏すべきスケール名、【キーとなるスケール】」である。

い’. C、『G♭メジャー7 ♯11』、Cロクリアン・スケール、【D♭メジャー・スケール】
ろ’. E、『Cメジャー7♯5』、Eミキソリディアン♭13・スケール、【Aメロディック・マイナー・スケール】
は’. D、『Bb/C』、Dエオリアン・スケール、【Fメジャースケール】

見事に理論の話だけになってしまった。次回はより実践的なイヤー・トレーニング方法について説明していくことにする。

次:イヤー・トレーニング必勝法【実践編】

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