アイルランドの良いところ

「アイルランドの良いところって何がある?」と訊ねられれば、僕は、真っ先に「気候が良いところ」と答えます。しかし、アイルランド現地の人やヨーロッパ圏の人たちにとって、アイリッシュ・ウェザーは酷い天候の代名詞になっているようです。どの辺が酷いのか訊いてみると、「日照時間が少ない(曇りが多い)」「雨風が強い」「気温が低い」という点がよく挙げられます。

昨年の夏、アイルランド人の友人に「夏休みの予定は?」と訊いたところ、「フランスに行って夏を感じてくる」と言っていました。それくらい、アイルランドの夏は気温が低いのです。昨年の夏は相当暑いと感じましたが、平均気温は20度前後で、最高気温が25度を超えることはありませんでした。そのため、家に冷房機具を置く必要がありませんし、空気が乾燥しているので、日本の暑さのような不快感もありません。

では、冬は寒いのかというと、そうでもありません。年が明けた1月初旬は、まだ気温が2桁ありましたし、3月下旬には再び2桁に戻っています。いわゆる、「肌寒い季節」というのが長く続くだけで、東北や北海道のような、しばれる寒さは滅多にありません。これは、冬でも曇り空が多いからでしょう。



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もう1つ、アイルランドの素晴らしいところは、名前を口にするのもはばかられる黒い悪魔Gと、真夏の夜の悪夢である吸血鬼Kがいないところです。北海道にはGがいないそうですが、Kがいない場所は、日本国内にはないでしょう。それ以外の虫も、10、11月ごろになると、途端に姿を見せなくなります。

それから、日本のスタジオは、地下などの密閉された空間にありますが、アイルランドのスタジオには必ず窓があります。些細な違いに思えるかもしれませんが、この点こそ、僕のアイルランドにおける音楽生活の、最大の財産でした。外国人と一緒に演奏するのは日本国内でもできますが、外国の気候と一緒に演奏するのは、日本国内では決してできません。

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