「SMELLS LIKE TEEN SPIRIT」と「Smoke on the Water」で見る、コピーしやすい楽曲の特徴について

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以前、「世界中で最もコピーされた楽曲は何か」というような記事にこの2曲が挙げられていた。前者はNIRVANA(ニルヴァーナ)、後者はDeep Purple(ディープ・パープル)の楽曲で、どちらもアーティスト最大のヒットとなった代表曲である。世界中でコピーとなると、国も楽器も問わず、あらゆる人にコピーされてきたということになる。そこで今回はこの2曲を例に、「コピーしやすい曲とは何か」を考察していく。

○シンプルなコード進行

「SMELLS LIKE TEEN SPIRIT(以下、SMELLS〜)」は、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、インタルード、ソロなどで構成されているが、ほとんどのセクションが同じコード進行で形成されている(図1参照)。

スメルス
■図1 SMELLS〜のコード進行

音色やリズムなの違いはあるものの、ベースとなっているコード進行は変わらない。すべてパワー・コードなので、1度と5度さえ鳴っていれば良い。やろうと思えば、ベース&ボーカルとドラムの2人だけでコピーできる。このお手軽さが幅広くコピーされた要因だろう。お手軽かつ良い曲という、優れたバランスも見逃せないポイントである。

「Smoke on the Water(以下、Smoke〜)」も、基本はGコードとFコード(図2参照)で、コーラスだけ変化する(図3参照)。ソロ・セクションも図2の進行で回して、ソロイストのキュー(合図)で図3に進む、といったケースが多い。

すもーくヴぁーす
■図2 Smoke〜のコード進行その1

すもーくぶりっじ
■図3 Smoke〜のコード進行その2

○キャッチーなリフ

Smoke〜のギター・リフを知らない人はそうそうない。「世界で最も知られたギター・リフ」と言っても過言ではないだろう。それほどキャッチーで耳馴染みが良いということは、覚えやすいフレーズ、理解しやすいフレーズということである。また、4度でボイシングされているメロディのため、ギターでコピーした場合は指1本で押さえられる(図4参照)。


■図4 Smoke〜のギター・リフ

SMELLS〜のパワー・コードを使ったコード・バッキングも、ロックの歴史を塗り替えたほど有名なギター・リフだ。クリーン・トーンから急激に歪ませる大胆なアレンジはインパクト抜群である。

○16分音符を用いた8ビート

SMELLS〜もSmoke〜も、8分音符を基調としたロックの楽曲である。そのため、ドラムはいわゆる「8ビート」を叩いているのだけれど、どちらの楽曲も16分音符をふんだんに用いたパターンを叩いている(図5参照)。Smoke〜のパターンなんかはいわゆる「16ビート」の典型として挙げられるけれど、「16分音符を叩けば16ビートになる、というわけでもない」の典型としても挙げられるパターンである。

ぱたーん
■図5 メインとなるリズム・パターン

以上。他にも理由はあるだろうけれど、コピーのしやすさで重要なのは「シンプルかつキャッチーであること」、これに尽きる。「少しひっかかる程度の難易度」というのもポイントかもしれない。ドラム・パターンについても触れたけれど、「ドラム・パターンが格好良いから!」という理由でコピーしようとするのはドラマーだけである。

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