音痴

音程が取れず、正確なピッチで歌えないことです。ドラえもんのジャイアンは音痴キャラとして有名ですが、少なくともアニメのジャイアンは音程がはっきりしているため音痴ではありません。あれはジャイアンの問題というより、PAの問題でしょう。何度もリサイタルを開催しているだけあって、声量は抜群です。高校生になったらミッシェルガンエレファントみたいなバンドを組むのではないでしょうか。

音痴の歌というのは、狙うべき音に向かってピッチを上げきれなかったり下げきれなかったりするため、起伏のない一本調子なメロディになりがちです。また「音量=音程」と考えているのか、高い音を出そうとすると大声になってしまう傾向があります。もちろん、歌によって難易度がありますし、ピッチが安定しないからといって一概に音痴であるとは言い切れません。音痴と音痴でない人の最大の違いは、「自分の能力不足を自覚しているか否か」です。本当の音痴は、歌っている時「自分は正しく歌えている」と錯覚しているのです。

この「音痴」という言葉はあらゆる言葉に付き、その分野における「自覚できない能力不足」を表しています。たとえば、すぐ道に迷う人を「方向音痴」と呼びますが、「道に迷った」と誤りに気がついたり、「地図を見よう」とフォローできたりする人は方向音痴とは言いません。本当の方向音痴は自分が迷ったことすら気がつきませんし、人に訊ねることもしません。「自分は正しい方向に向かっている」と錯覚しているから、訊ねる必要がないと思っているのです。



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音痴を治すための練習法として昔からよくあるのが、「バケツを被って歌う」というものがあります。バケツに自分の声を反響させて、自分が音痴であることを自覚させる訓練です。この練習で「自分はなんて音痴なんだ」と気がつけたら儲けものでしょう。「よくわからない」でも十分です。自分の声に疑問を持つことこそ、自覚を持つ最初の1歩なのです。

音のピッチが合わない程度なら大した問題になりませんが、音痴の中には生活に支障をきたすようなものもあります。たとえば、「自分の選んだ人生に間違いはない」という、人生の方向音痴です。なぜ「自分は間違っていない」と言い切れるのでしょうか。音痴を治したいのでしたら、「自分は間違っているかもしれない」と疑うべきです。

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