陸の孤島

高校を卒業し、社会人をやっていたころは、横浜で一人暮らしをしていました。引っ越し先を横浜にしたのは、当時通っていた教会がすぐ近くで、職場へも乗り換えなしで電車通勤できるためです。以前ブログで書いた、とんでもない食生活を送っていたのも横浜時代の話です(参考『エクストリーム食生活』)。家賃が5万円を切る5畳半の1Kに、ベッドと机とドラムの練習台を敷き詰め て、足の踏み場もない空間で寝て起きてを繰り返していました。

当時僕は、バンド活動や海外留学に備えて貯金をしていたため、インターネット契約をしていませんでした。「インターネットをする時間があるなら練習しよう」と思っていたのです。ところが、とある演奏の依頼で送られてきた参考音源が、YouTubeのリンクだったことがありました。それまではCDや音楽ファイルをメールに添付するのが一般的だったので、正直とまどいました。

「今後はこのような対応(動画投稿サイトのリンク)が一般的になるだろうから、何か対策を打たなければならない」と考えた僕は、スマートフォンの購入を決めました。これで動画サイトをチェックできるし、たまの息抜きもできる、と考えたのです。手続きをつつがなく終わらせ、スマートフォンを手に入れました。唯一誤算だったのは、自宅の室内が圏外で、スマートフォンを利用する時に外へ出なければならなくなったことです。



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部屋が圏外ですから、外部から入電があっても繋がりません。オート・エアプレイン・モードです。もちろん、ふとんにくるまって動画鑑賞もできません。テレビもないですし、ラジオも受信しませんし、新聞も取っていないので、外界の情報は何1つ入ってきません。まさに、「陸の孤島」だったのです。

結局インターネットで息抜きという夢は露と消え、僕はオフラインでできる趣味に傾倒していきました。特に読書は、図書館を利用すれば費用がかからないため心酔していきました。年に300冊は読んでいたでしょう(参考『本が読めなくなる病』)。無人島へ行っても、本さえあれば僕は退屈を紛らわせると思います。事実、陸の孤島はそれで生き延びています。

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