辞書にない文字

我輩の辞書に不可能の文字はない」は、かの有名なナポレオンの名言とされています。これは意訳で、実際は「不可能という言葉は愚か者の辞書にしかない(Impossible is a word to be found only in the dictionary of fools. )」だそうです。意訳とはいえ、記憶に残るほどインパクトがある言葉なのは間違いないため、名言と言っても過言ではないでしょう。「辞書に言葉が載っていない」という、本来なら欠点となるべき事態をポジティブに変換している点も見過ごせません。「不可能という言葉は愚か者の辞書にしかない」のままだったら、日本では「何様だ! 謝罪しろ!」と炎上していたことでしょう。

この名言にあやかって、どんな文字が欠けていれば名言になり得るでしょうか。ナポレオンの「不可能」みたく、ネガティブ・ワードであれば良い意味に転じやすいでしょう。しかし、スケールが大きくなってしまうと誤解を招きやすくなります。たとえば、「我輩の辞書に戦争という文字はない」は「平和主義」の主張になると同時に、「戦争に無関心」とも受け取れます。個人的な問題や些事を取り上げるのが無難でしょう。



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パッと思いついた言葉だと「敗北」がありますが、「誰がなんて言おうと負けを認めない」みたいなニュアンスもあります。文字ではないですが、僕の辞書には「索引」がありません。友人に訊いたところ、「我輩の辞書に空腹の文字はない」とおっしゃっていました。いくらでも食べられる、という意味だそうです。

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