絵画当てゲーム

友人と「絵画を口頭で説明し、パートナーに作者名と作品名を当ててもらう」というゲームで遊んでいました。誰もが知っている絵画でも、見ずに説明だけで回答するには理解力想像力が求められますし、説明する側にも国語力分析力が求められます。

面白かったのが、僕と友人とで全く異なる説明方法をとっていたことです。友人は、レイヤーの下の階層(下地や背景、遠近法で遠くに描かれているもの)から順番に、すべての情報をフラットに出す傾向がありました。「キャンパス上部にくすんだ緑色の空? 雲? みたいなものがあって、キャンパス中央部分にこげ茶色の山と山道、で、手前に黒い服を着た女性がこちら側に顔を向けているけど身体は向かって左にやや傾けている」といった具合です。

決して間違ったことは言っていないのですが、いきなり全体像を伝えられてもよくわかりません。はじめに空の話をしているので風景画かと思いきや、話を進めていくうちに女性の姿がキャンパスの大半を占めていることがわかり、「肖像画かい!」と突っ込むはめになります。当の本人は「せやから最初に『手前に』って言うとるやんけ」とぷりぷりする始末。ようするに、重要な情報と大したことない情報が並列しているため、聞き手が見落としやすい構造になっているわけです。



★オススメ ライブ




いっぽう僕は、「ゴーギャンと一緒に暮らしていた作家の代表作で、花言葉は『偽りの愛』」と、誰が聞いても一発でわかる明解な説明をするのですが、「お前はこのゲームの趣旨を理解していない」とぴしゃりとはねつけられます。「え、まずそこから説明せなあかん?」と呆れた様子で「ちゃんと絵を見て、見たことを説明しなさい」と言うのです。

それなら、「キャンパスの下半分に横長のテーブルと13人の人物。中央の1人を挟むように下手側に6人、上手側に6人が並んで配置されている。上半分は背景で、天井の高い教会のような建物内」とフォーカスを絞った、我ながら完璧な説明をすると「色情報が少なすぎる」とダメ出しされました。言われてみればたしかに、構造や構成ばかりに目を留めるきらいがあります。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


上部へスクロール