渚のベランダじゃあかんの?

久留米が生んだスーパーアイドル、松田聖子の楽曲に『渚のバルコニー』という曲があります。夏になってはしゃいでいるアベック(死語)の歌なのですが、その一節に「渚のバルコニーで待ってて」とあります。「渚」とは砂浜のことなので、正確には「渚(に建っている建築物)のバルコニーで待ってて」となります。

ところで、バルコニーとは「2階以上の室内から突き出ている屋根のない手すり付きのスペース」のことです。これとよく似た構造を持っているのが、マンションやアパートでお馴染みの「ベランダ」です。ベランダとは「2階以上の室内から突き出ている屋根のある手すり付きのスペース」です。季節は夏、暑い太陽光線のことを考えればどう考えてもベランダの方が最適なのです。

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そんな酷暑の中で人を待たせるなんて松田聖子らしからぬ振る舞いです。何か理由があるのではと歌詞を読み進めると、「渚のバルコニーで待ってて」の前後には「一緒に朝日が見たい」という願望が描かれていました。つまり、夏は夏でも、夜のことを歌った歌なのです。さらに「待ってて」は「待っていてください」という命令ではなく、「夜明けまで待っている」という状態を表しているに過ぎなかったのです。

そう考えるとベランダよりバルコニーの方がうってつけです。海辺とはいえ、夏であれば身体を冷やすこともありませんし、天気が良ければ南天の空に赤く光る、さそり座のアンタレスが見えるでしょう。ロマンチック



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ちなみに『渚のバルコニー』の作詞はバンド「はっぴいえんど」のドラマーで、『硝子の少年(KinKi Kids)』など多くのヒット曲の作詞を手がける松本隆です。以前、彼のドキュメンタリーを拝見したところ、「『愛している』みたいな(直接的な)言葉を使わずに『愛している』を表現するようにしている」というコメントが印象的でした。

なお、『渚のバルコニー』の歌詞には「あなたを愛してる」が2回、「love you」にいたっては6回出てきます

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