右利きなのに左手ではしを使う理由

僕は右利きです。ギターを構えるのも右ですし、ドラム・セットも右利き用のセッティングです。バットを振るのも右側で、ボールを投げるのも、ラケットを持つのも右手です。例外は表題に書いたとおり、はしやスプーンなどの食器類です。よくレッスンで「ハイハットは右手、お茶碗持つ方ね」と言ってキッズたちを困惑させています。

昔から左手ではしを使っていたかというと全然そうではなく、20歳をゆうに超えた専門学校時代からです。当時ドラムを習っていた講師の1人から「左手を鍛えるために、明日から左手で飯を食え」というお達しを受けたのがきっかけでした。以来、10年近くずっと左手ではしを使い続けています。

はっきり言って、左手ではしを使ってもドラムは上達しません。ドラムが上手くなりたいなら、ドラムを叩く以外に道はありません。僕が左手ではしを使い始めたのは、ドラムを上達させるためではなく、その講師に対して忠実でありたかったからです。教えを乞う立場として師に従うこと、その姿勢に価値を見出したのです。

不器用な僕にしては珍しく、比較的スムーズに使えるようになったのも長続きした要因です。一時期はペンも左手で使っていましたが、「横書きの際に書いた文字を確認できない」というデメリットが大きくてやめてしまいました。



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経験してみればわかりますが、左手で道具を使うこと自体はそこまで難しくありません。どちらかと言えば「茶碗を持つ」「紙を押さえる」といった左手のアクションを右手で行なうのが難しいのです。そういえば以前、左利きのセッティングでドラムを演奏した時も、最も苦戦したのがハイハット・ペダル(右足)でした。

利き腕の活躍が目立ちますが、そうでないものの働きは大変偉大です。

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