初スネアの思い出

先月、高校時代に初めて購入したスネアを手放しました。ヤマハ社のメイプル・カスタム・アブソリュートで、口径14インチ、深さ5.5インチ、ヌーヴォー・ラグであることを除けば、超がつくほど平均的なスペックです。このスネアを購入したきっかけは、バンド・メンバーや周りの友人たちが器材を買っているのに釣られてしまった、というものです。いわゆる、衝動買いです。基本的にあまり後悔はしないタイプなんですが、この買い物は賢くなかった、と今は思っています。10年ほど使っていましたが、最後の最後まで好みの音が出ることはありませんでした。

一番のきっかけは衝動買いだったのですが、もう1つ、「パーツによる音の違いを研究したかったから」という理由がありました。たとえば、「ダイキャスト・フープとプレス・フープの違いを厳密に測るために、同一シェルでフープだけを取り替えて試奏する」といった行為は楽器店ではできません(実際頼んで断られた経験があります)。平均的なスペックを選んだのは、この理由のためです。そのため、スネアよりもパーツ類の方がずっと多く持っています。スネアがもう1台買えるくらいの出資をしたのですが、これは実に良い買い物でした。すなわち、出資した額以上の経験と知識を得ることができた、という意味です。



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やはり、感情的に決断するのではなく、しっかりした理由を考えた上で決断したものは、それなりに結果が得られます。失敗からもそれなりに学べることはある(今回の場合、メイプル・シェルが苦手とか、深胴のが好き、などの傾向を知ることができた)とはいえ、手痛い出費には違いありません。これからスネアを買おう、と考えている人は、ぜひ「10年後も使えるスネア」を根気よく探していただきたいと思います。「10年後には好みが変わっているかもしれないじゃないか」と思うかもしれませんが、僕の場合、この10年で好みが変わることはありませんでした。

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