初めてコピーした曲

僕がドラムを始めたのは、高校1年生の時です。初めてコピーした曲は、『Venus』という曲でした。えっと、なんとかシェイバーだったか、シェイビイングなんとかだったか、とにかく、カミソリみたいな名前のバンドの曲だったと思います。BだったかB♭のsusコードから始まる、有名な曲です。

これは、僕の選曲ではなく、当時習っていたドラムの先生による選曲でした。先生の趣味というより、他の楽器科(ボーカル、ギター、ベースなど)と一緒に演奏することを見越して選曲していたようです。8ビートを基調とした簡単な曲でしたが、16分音符のフィルインや、ちょっとしたキメもある、ほどほどの難易度の曲でした。

当時の先生は、「耳で覚えろ」という教え方をしていました。譜面は一切もらえず、ひたすら耳コピし、先生の演奏を観察する毎日でした。最初に先生が音源に合わせて演奏してくださるのですが、原曲通りに叩かず、いろいろとアレンジを加えた演奏をするのです。そして、「こんな風に好きなように叩いていいから、あとは各自練習してきて」と音源だけを渡すのでした。

勘の良い同期の子は、音源を渡された次のレッスンには、先生の見よう見まねで、自分なりにアレンジをして叩いていました。しかし、僕はそこまで器用ではありません。「先生は当てにならない」と端から参考にしていませんでした。そもそも、「原曲通りに叩けないのに、アレンジできるわけがない」と考えていました。



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まずは、とにかく、原曲をコピーすることに努めました。大変だったのは、曲のサイズ(小節数)と、フィルインのフレーズと位置を正確に覚えることです。うろ覚えの部分を手癖で叩いてしまうので、「1度でも間違えたら、初めからやり直し」というルールを課して、何度も繰り返し練習しました。もう、全然楽しくありません。しかし、「仕事だから仕方ない」と思いながら、続けていました。ちなみに、一番大変だったのは、タイムキープです。なぜタイムキープができないか、原因がわからず、いつまで経っても原曲通りに演奏できませんでした。

初めて自分で選曲してコピーした曲は、BOOWYの『ホンキー・トンキー・クレイジー』で、あの絶妙なバウンス感が再現できず、苦労していました。どうしたらいいのか、先生に訊いたところ、「もっと難しい曲やろうぜ」、一蹴され、先生に対して腹を立てたことを、今でも覚えています。たぶん、僕も同じ立場になったら、似たようなことを言ったかもしれません。

このように、ブログが簡単に埋まるくらい、初めてコピーした曲というのは、思い入れが大きくなるものです。今、ドラム講師になって、「初めてコピーする曲」を提案する側になりました。生徒様が将来振り返った際、良い思い出になっていることを願うばかりです。

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