作曲あるある

フィクションの世界で、音楽家が取りつかれたように楽譜にペンを走らせて「最高の曲ができた」みたいな台詞を満足気に言ったり、才能のあるミュージシャン(主に主人公)が何気なく作った曲を聞いた音楽関係者が「これは名曲だ!」と驚いたりするシーンがあります。いずれのシーンも、作られたばかりの曲を聞いて「良曲だ!」と手放しで喜んでいるわけです。これらの曲はその後の展開でヒットを飛ばすので、良曲であることは間違いないでしょう。

楽譜に書かれただけの曲や何気なく作った曲はまだ未完成の状態ですが、作曲者の頭の中には完成形が見えていることがほとんどです。アコギ1本で弾き語ったデモでも、それがバンドのために作った楽曲なら「ここでピアノがこうはいって、リズムはこうで」といった別パートを想定しています。これらの想定は作曲者本人でなくとも可能なため、未完成の曲を第三者が良曲と感じることもできるでしょう。

実際の作曲の現場でも、思いついた瞬間に「これは良曲だ」と感じる時があります。メロディでもコードでもアレンジでも、まるで天から降りてきたように、素晴らしいアイディアがふっとわくと「やった!」という気分になります。しかし、その直後にとてつもない不安に襲われるのがほとんどでしょう。なぜなら「こんなに良い曲なのだから、誰かの曲のパクリになっているのでは」と心配になるからです。



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不思議なもので、意図的に「真似しよう」と思っていなくとも、作曲中に自然と出てきてしまう場合があります。無意識下なので、当然気がつきません。アレンジやレコーディングが終わってから気づいても遅いので、なるべく早い段階でパクリかどうか判別したいわけです。

僕は作曲をする際は、ハミングで曲を検索してくれるアプリを使って類似の曲がないか調べるようにしています。今のところ「この曲のパクリだったか!」といった事態にはなっていません。しかし、アプリの精度を疑っているふしがあるため、「やっぱりパクリなんじゃ」という不安を完全に拭うことはできません。職業病だと思って諦めています。

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