ミュージシャンの副業

ミュージシャンという仕事は、自営業の一種です。会社に所属しているわけではないので、昇給もなければボーナスもありません。有名になって仕事が入るようになればかなりの額を稼ぐことはできますが、そういった例はまれです。以前ミュージシャンの友人が「(仕事1件の報酬が)高校生のアルバイトよりも少ない」と言っていたので、コンスタントに稼ぎ続けても平均年収は300万円未満と予想できます。アルバイトでそれだけ稼げば社会保険に加入できるので、保障の面でミュージシャンはアルバイトにも劣っている、ということになります。

さらに大多数のミュージシャンは、継続して仕事を獲得できないのが現状です。そのため、ミュージシャン業とは別に「副業」をしなければ暮らしていけません。「ミュージシャン業で月5万、その他アルバイトで月10万」のように、どちらが副業かわからない、というミュージシャンも珍しくありません(むしろ、大半を占めているでしょう)。ある程度稼げるようになってからも、「いつ仕事がなくなってもおかしくない」という不安要素はなくならないため、副業を続ける人が多いのです。

僕は音楽講師として働いていますが、それ1本では不安定のため、コンビニでアルバイトをしています。1年目は1:3くらいの割合でコンビニの稼ぎが多かったのですが、今は1:5くらいの割合で講師業の方が稼げるようになっています。今の4倍稼ぐのが今後の課題でですが、物理的な問題でどう頑張っても2倍くらいしか稼げない、という見通しも立っています。もうしばらく副業を続けなければならないでしょう。



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こういう話をすると、周りのミュージシャンから「夢を壊すな」とか「そういう汚い話を公にするな」という具合に反感を買うことがあります。僕は「ミュージシャンの仕事は輝きで満ちている」みたいな幻想を与える方が夢を壊していると思いますし、「お金=汚い」という認識がそもそも間違っていると考えています。お金のことを考える時、まず考えなければならないのは消費者のことです。「相手は何を求めているか」「そのニーズに応えるため、取るべき方法は何か」という風に、相手中心の考え方になります。

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