ボクシングのファイトスタイルで見る、ドラマーの特性

ボクシングのファイトスタイルは主に2種類あって、接近して強打を与える「インファイター」タイプと、距離を取って戦う「アウトボクサー」タイプに分かれます。ものすごく端的に言うと、インファイターは打って打たせてKOを狙い、アウトボクサーはディフェンス主体でポイントを稼いで判定勝ちを狙います。

現代のボクシングにおいては、被弾せずに戦うアウトボクサーの方が強いとされています(選手生命も長い)。ただ、勝敗にはボクサー(ボクシング選手)の体格や相性が大きく関わってくるので、一概にアウトボクサーが有利とは言えません。インファイターの戦い方は派手で華があるので、「強さのアウトボクサー、人気のインファイター」と言ったところでしょうか。

いっぽう卓球では、グリップを握手するように握る「シェークハンド」と、ペンをつまむように挟む「ペンホルダー」の2つがありますが、前者の方が圧倒的多数です。「戦い方」という点では「前陣速攻」「ドライブ」「カットマン」などがありますが、いずれもシェークハンドが主流です。ペンホルダーはラケットが軽いですし、個人的には見た目も格好良いと思うのですが、いくら格好良くても勝負に勝てない(強くない)と廃れていってしまうようです。

僕が好きなボクサーは、マーヴィン・ハグラーやマイク・タイソン、日本だったら具志堅用高や村田諒太で、どちらかと言えばインファイター寄りの選手です。いっぽう、卓球をやる時はシェークハンドを使っています。ペンホルダーを使っていた経験もありますが、途中でシェークに切り替えました。理由は、勝てないからです。たぶん、僕がボクシングの試合をするようになったら、アウトボクサー寄りの選手を好きになっていくのでしょう。この辺に、オーディエンスとプレイヤーの差があるように思えます。



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さて、ドラムにはスティックを左右対称に持つ「マッチド・グリップ」と、左右非対称に持つ「トラディショナル・グリップ」があります。きちんと統計を取ったわけではありませんが、現代のドラム演奏において、トラディショナル・グリップをメインに使っているドラマーはせいぜい10%くらいでしょう。「トラディショナル」の名の通り、廃れていったスタイルなわけです。勝ち負けではありませんが、マッチド・グリップより弱いスタイルだと言わざるを得ません。

僕は演奏のほとんどをトラディショナル・グリップで行なっています。ドラムを始めて20年くらい経ちますが、たぶん、僕はプレイヤーよりもオーディエンス寄りなんだと思います。

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