ドラムスティックの選び方

ドラムを始めたての方からよく訊かれる質問です。要点をまとめると、以下の通りです。

1.平らな床に転がして、反りがないものを選ぶ
2.1本ずつ重さを計量し、1組の重量差がないものを選ぶ
3.自分の手の平によく馴染む太さ振りやすい長さを選ぶ
4.コントロールしやすいチップ(先端)の形状を選ぶ

このうち、1と2は、スティックの品質に関わる項目なので、個人差はありません。しかし、3と4は、個人の好みに関わる項目です。「好みの問題だから、好きに選べばいいじゃないか」と思うかもしれませんが、「馴染む」「振る」「コントロールする」というのは「感覚」であって、生まれて初めてスティックを持った人にとっては、未知の情報です。感覚は、感覚でしか養えないため、使っているうちになんとなくわかってきます。しかし、まだその情報を持っていない初心者の方にとっては、基準にならないのです。

ではここで、感覚によらないスティックの選び方を、2つ紹介いたします。

○極めて平均的なスペックのスティックを選ぶ

この場合の「平均」とは、個人の感覚ではなく、統計に基づいたものを指します。多少前後しますが、太さは「14.5ミリ」、長さは「407ミリ」、チップは「ティアドロップ(涙)」というのが、世界的にスタンダードな規格となっています。



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この規格は、各メーカーが「5A」という品番で販売しています。「ちょっと長めの5A」や「チップの形状が違う5A」などの亜種もあり、いずれも、平均的な「5A」という規格に基づいています。メーカーによる違いは、いったん無視して構いません。5Aを使って、「平均とは何か」という感覚を養ってみましょう。「自分は、平均より小柄だな」と思う方は、5Aよりも少し細め、短めのスティックを使ってみても良いかもしれません。

○自分の好きなジャンルのドラマーが使っているスティックを選ぶ

好きなドラマーがいて、そのドラマーが使っているスティックを選ぶ、という方法です。好きなドラマー1人に限定するのではなく、複数名を挙げて、平均を取りましょう。好きなドラマーが1人だけだと、そのドラマーが「むちゃくちゃ太い」「鬼のように長い」など、奇抜なスティックを使っている可能性があるためです。初心者がそれを使うと、叩く時に変なクセがついてしまい、正しいフォームで叩けなくなる恐れがあります。

「フォームが悪くなって、ドラムが上達しない」くらいなら大した問題になりませんが、腱鞘炎などのけがをしては、元も子もありません。最低でも、5人は統計を取りましょう。その平均の結果が、「太め、長め」で、多少扱いづらかったとしても、自分のビジョン(目標)に必要なスティックなわけですから、それを使い続けた方が将来的に役に立ちます。「好きなドラマーが3人しかいない」みたいな人は、足りない分(この場合、2人分)を、前述の5Aにして平均を出しましょう。

ちなみに、僕は、「かなり太めで軽いスティック」を使っています。もともと、「太い音が欲しいけど、筋力がないから重いスティックは嫌だ」という前提があり、試行錯誤の末、今のスティックに落ち着いています。選ぶ前のコンセプトさえしっかりしていれば、スティック選びを間違えることはないでしょう。

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