ジンジャーエール買って飲んだ こんな味だったっけな

小学生のころ、母に連れられて飲み会に何度か参加したことがあります。たぶん、仕事か何かの付き合いだったと思います。大人の話はちんぷんかんぷんでしたし、騒いだら母が般若のごとく怒るため、おとなしく目の前のつまみを食べるしかありませんでした。

当時の僕は人見知りで、知らない相手から話しかけられても口ごもってしまうのですが、ある時、「好きな飲み物をごちそうする」と話しかけられたことがあります。無言で母を見つめると許可は下りたのですが、櫻井家では「食事中には甘いものを食べない」という暗黙のルールがあり、飲み物であっても例外はありませんでした。外食とはいえ、「食事中にコーラ」なんてことも許されないのです。つまり、「好きな飲み物を」と言われたところで僕にはお茶以外の選択肢はなかったのです。

ところが、メニューを見ると「お茶」なんて商品はどこにも書いていません。緑茶も紅茶も見つからなかったのです。よく探せばウーロン茶くらいはあったかもしれませんが、当時の僕はウーロン茶よりも先に「ジンジャーエール」を見つけてしまったのです。ジンジャーエールと言えばアメリカの禁酒法時代にヒットしたシャンパンの模造品で、生姜を使った甘い炭酸飲料です。コーラと並ぶくらい著名な炭酸飲料ですが、何を思ったのか櫻井はこれを「ジャワティー(正確にはシンビーノ ジャワティー)」と勘違いしてしまったのです。見事に1文字しか合っていません



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店員が持ってきた琥珀色の炭酸水を見て僕は「これじゃない」と驚愕しますが、頼んでしまった以上、飲むしかありません。大変美味でしたが、母親の視線が痛かったです。あとで怒られるんだろうなあ、と戦々恐々としていましたが、勘違いだったということでお咎めなしになりました。それからしばらくジンジャーエールは、僕にとって「母親を怒らせない魔法の飲み物」となりました。たまに買って飲みますが、コンビニやスーパーで売っているジンジャーエールは甘くて別の飲み物のように感じます。こんな味だったっけな。

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