ジャック・ディジョネット難過ぎひん?

大学から本格的にジャズ・ドラムを始め、大好きなビバップ(40年代)から歴史を辿っています。表題のジャック・ディジョネットは、電子楽器を多用したいわゆる「エレジャズ」や、独特なヨーロピアンサウンドが特徴な「ECM」(どちら70年代)から活躍している、著名も著名なドラマーです。

大学生当時、「卒業するころにはディジョネットまで辿りたい」と思って軽くさわったはずなのですが、あまり記憶に残っていません。卒業試験で扱ったのがエルヴィン・ジョーンズ(60年代)だったので、「結局70年代まで届かんかったんやっけ」と思っていたのですが、最近改めてディジョネットを研究し始めて思い出しました。難し過ぎて頭に定着していなかったのです。

エルヴィンの演奏はビバップから進化した「革命的なドラム」という印象で、思わず真似したくなる斬新さに夢中になってコピーしていましたが、ディジョネットはその革命に宇宙を加えたような演奏をします。「すごい!」とか「格好良い!」の前に、「何語?」という疑問と未知を感じざるを得ません。まさに、今までアコースティック楽器を中心に音楽を展開してきたジャズに、シンセサイザーの音色を取り入れたような驚きと戸惑いがディジョネットのドラムにはあります。



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ただ、ディジョネットの素晴らしいところは、一見宇宙な演奏も、紐解いていくとビバップのフレーズをベースにしていることです。そこに細かい装飾を増やし、バーラインを無視して演奏すればディジョネットっぽくなりますが、装飾を増やし過ぎたり、バーラインを無視し過ぎたりすると、ただの下手な演奏になってしまいます。この辺の塩梅はまだまだ研究が必要ですが、ロジック的な作りにはなっていないだろうな、という予想はしています。櫻井はこれを「70年代ジャズ・ドラムの壁」と提唱しました。学会で発表します。

壁に何度もぶつかっていると疲れてくるので、たまに休憩で好きなジャズを聞いています。こないだはチコ・ハミルトン(50年代)の演奏を聞いて、「俺もチコ・ハミルトンになる」と決意しました。学会で発表します。

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