カラオケ

機械とデュエットするアレです。日本発祥の文化で、海外でも「Karaoke」で通じます。アイルランドには、日本のようなカラオケボックスはありませんが、音楽好きな年配の方が、自宅にカラオケマシーンを設置していることがあります。元は、音楽用語で「歌の入っていない演奏音源(空のオーケストラ)」のことを指している言葉でした。今となっては、メトロノームのクリック音を「ドンカマ」と言うのと同じくらい、死語になっています。

カラオケの最大の特徴は、公の場で堂々と歌えること、そして、誰もそれを聞いていないことです。正確には、耳では聞いているのですが、カクテルパーティ効果のように、脳がノイズと判断して遮断している、でしょうか。中高生も社会人も、グループでカラオケへ行ったとしても、他人が歌っている時は、自分が歌う曲を選曲しています。もしくは、画面の歌詞を追っているか、画面の似たり寄ったりの映像を見ているか、いずれかでしょう。

誰も聞いていないのに、なぜ、カラオケは普及したのでしょうか。オーソドックスな理由を挙げるなら、密閉された空間であり、歌うことで気分が高揚するので、「人付き合いにうってつけの道具」という点です。飲み会の「お酒」が「歌」に変わったもの、と考えられるでしょう。言い換えれば、飲み会も、誰もお酒を飲んでいないということです。アルコールは摂取していても、味は誰も気にしていない、という意味です。



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僕は高校のころ、毎日のようにカラオケへ行っていました。後輩(男)と大塚愛の『大好きだよ』をデュエットしたり、ミッシェル・ガン・エレファントの『CISCO』を歌ったりしていましたが、今は行こうと思えなくなっています。高校時代よりも耳が良くなったことで、自分の歌が苦痛になってしまったのです。誰も聞いていないのですが、自分自身は誤魔化せません

そうは言っても、きちんとマイクを通して歌える環境が身近にあるというのは、ボーカリストにとっては非常にありがたいことでしょう。「歌なんてどこでも歌えるじゃん」と思うかもしれませんが、自分の身体から発声される音と、スピーカから出る音とでは、同じ声でも全く異なります。同じことが、エレキギターなどの電子楽器全般に言えます。スピーカー(アンプ)を使ってパフォーマンスするなら、実際にスピーカーから音を出す練習も必要なのです。

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