アイドルの何を嫌うのか

バラエティ番組に出演していたアイドル・グループを見て、友人が「うっとうしい」という感想を述べていたことがあります。5人組のカラフルな衣装を着ている日本人女性のアイドル・グループで、たしか「にびいろスペードA」みたいなグループ名だった気がします(わざと間違えています)。

どの辺がうっとおしいのか訊いたところ、「トークに時間をかけ過ぎている」という風な答えが返ってきました。生放送ではなく収録されたものだったので、「トークが長い」の責任はアイドルではなく、番組ディレクターにあるような気がします。ひょっとしたら友人もアイドルを嫌っているのではなく、ディレクションを指摘していたのかもしれません。

しかし、アイドルを毛嫌いしている人が一定数いるのは事実です。いつだったか、どこぞの音楽フェスにとびいろハートΩ(わざと間違えています)が出演した時も「場違いだ」と糾弾した人たちがいてニュースになっていました。音楽を演奏せずにずっとMCをしていたら場違いかもしれませんが、他のアーティスト同様、自身の楽曲によってパフォーマンスしたのですから責務は果たしています。それにも関わらず「アイドルだから」という理由で非難するのは、アイドルに対して何らかの偏見を持っているのではないでしょうか。



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今回のように非難の対象になりやすいのは「若くてルックスが良いタレント」、つまり、見た目やキャラクターを商品にして売っている人たちであることが多いです。音楽フェスの件に関しては、「ルックスで売っている奴が、音楽の世界に足を踏み入れて中途半端な仕事をしている」という認識があって、「場違いだ」という批判を生んだのではないでしょうか。言うまでもなく、「中途半端な仕事をしている」は誤認であり、偏見です。

どうしてこうした偏見が生まれるのか考えてみましたが、「ルックスの良さに騙されている」が適当な理由ではないでしょうか。「あんなルックスの良い奴が良いパフォーマンスができるはずがない」という先入観を植え付けられているのです。それはつまり、アイドルの商売道具にまんまと引っかかっているのと同じです。本人はアイドルをおとしめているつもりかもしれませんが、おとしめられているのは自分ではないでしょうか。

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