もう

副詞、あるいは、感嘆詞として用いられる、日本語の言葉です。副詞の「もう」は、時間や程度が、ある一定のポイントに対して、近づいたり、超えたり、さらに加えたりする際に用います。たとえば、「もう着く」は、まだポイントに達していないものの、近づいている状態です。「もう着いた」は、すでに終了しているため、ポイントを超えている状態を表します。「もう1個」は、すでに1個ある状態(ポイント)から、さらに1個加えようとしている状態です。

感嘆詞の「もう」は、フラストレーションを感じている際に用います。朝、なかなか起きない子どもに対する、「もう、いつまで寝てんの!」という、親の台詞が例に挙げられます。ちなみに、この台詞は、疑問文の形態をとった、非難の言葉です。「あと5分~」は、返答して不適切なので、注意しましょう。

楽曲の歌詞にも、よく用いられる言葉です。「もう」ときて、「終わりだね」と続いた人が多いのでは、と予想しています。他にも、「どうにも止まらない」や「恋なんてしないなんて」あたりが有名です。ちなみに、僕は、「彼のことは忘れてしまえよ」を連想しました。いずれも、「もう」ではなく、「もお」と発音します。口が大きく開くので、歌いやすい言葉なのかもしれません。字面と発音が違う代表例のような言葉で、小学1年生の国語のテストに、必ずと言っていいほど出題されます

日本語では、「もう」だけで、複数の意味を持ちます。これを英語に訳すと、まったく別の言葉になります。「近づく」の意味で使うなら「soon」 、「超える」なら「already」や「enough」が用いられます。ただ、「加える」で用いられる「more」という言葉は、日本語の「もう(もお)」に発音が似ています。これにあやかって、韻を踏みつつ、意味も揃える歌詞が多くあります。



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副詞、感嘆詞以外にも、日本では、牛の鳴き声を「もう」と表記します。森永乳業が『MOW(モウ)』という名前のアイスを出していますが、これは「牧場で食べるソフトクリームをコンセプトに牛の鳴き声をイメージしました。ミルクのコクがしっかり味わえるアイスであることをこめて名付けました(公式コメント)」というがあります。

ただ、英語で牛の鳴き声は「moo」で 、発音も「ムウ」です。「mow」は、「干し草の山」を表す名詞、あるいは、「(草など)を刈り取る」、「(砲火、機関銃などで)~を無差別に殺戮する(down)」という意味を成す、物騒な動詞になります。

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