いいドラマーになるには

知り合いのボーカリストが「いいボーカリストになるには、自分以外のボーカリストを全力で見て聴くこと」とおっしゃっていました。「全力」が具体的にどの程度か不明ですが、少なくとも「見て聴くだけでは、歌の技術は上達しない」と思います。たぶん、この場合の「いい」とは技術的なことでなく、道徳的なことを指しているのでしょう。たしかに、「俺が俺が」と自己主張が激しいミュージシャンの世界で、他人の演奏に耳を傾ける人いるのは貴重なことです。

ドラマーにも同じことが言えますが、今回はもう少し技術的なことに焦点を当てようと思います。アンサンブルで演奏する際、メンバーに「こいつはいいドラマーだ」と思ってもらうポイントは、「一緒にやっていて演奏しやすい」と感じさせることです。人によって演奏しやすさの基準は異なりますが、一般的に求められているのは以下の3つです。

◯テンポ・キープ

ドラムは楽曲を動かすエンジンです。ドラムのビートが速くなればテンポも上がりますし、遅くなればテンポは下がります。ベーシストが演奏を止めても曲は進行しますが、ドラムが演奏を止めると曲も止まってしまいます。ドラムが安定しない限り、アンサンブルも安定しないのです



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◯ダイナミクス

ボーカルが静かに語りかけるように歌っている後ろでドラムが騒いでいれば、雰囲気は台無しです。逆に、ギターが情熱的なソロを弾いているのにドラムが一本調子で演奏していたら、盛り上がりは失われてしまいます。叩き過ぎてもだめですし、叩かな過ぎてもだめなのです。その場の空気を読んでボリュームをコントロールするのもドラマーの仕事です。常にアンテナを張り、メンバーの欲しがっている音を出せるようになりましょう。

◯サウンド

箸で茶碗を叩く音や黒板を引っかく音が不快であるのと同じで、気をつけなければドラムの音は雑音になります。いくらテンポをキープできたとしても、また、周りに合わせてダイナミクスをつけたとしても、雑音では音楽になりません。「目立つようなことはしない」「なるべく音を出さない」などの対策を打ち、邪魔にならないよう注意しましょう。

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